「石橋財団コレクションの超高精細スキャニングプロジェクト」の展示の様子

アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)の2021年2月から開催された「STEPS AHEAD 新収蔵作品展示」の会場にて、サビア制作による4K対応映像が実物の絵と並べて上映されました。ジャン・フォートリエの《旋回する線》(1963年)とゲオルゲ・グロスの《プロムナード》(1926年)の2作品を題材に、2016年に当社が協力した「石橋財団コレクションの超高精細スキャニングプロジェクト」を紹介する内容です。

高精細アーカイブが活きる4Kの描画力

「石橋財団コレクションの超高精細スキャニングプロジェクト」の展示の様子

映像はサビアのスキャンによる高精細アーカイブの特長を活かし、両作品に文字通り「迫って」いく内容になりました。
作品の全体像を見せた後、カメラは段階的にズームアップ。最後には驚異的な拡大率となり、会場では決して見られない作品の実像を浮かび上がらせています。《旋回する線》では一筆ごとの絵の具の流れや盛り上がりを立体的に映し出し、画家の筆遣いをじっくりと追いかけていきます。いっぽう《プロムナード》では近赤外線スキャンを導入し、完成作品とはまったく異なる「下絵」が判明する様子も描写。展示作品を観るだけでは分からない深層にまで詰め寄り、デジタルアーカイブの意義を語るだけではなく、観客の好奇心を刺激する作品ともなりました。

「石橋財団コレクションの超高精細スキャニングプロジェクト」の展示の様子